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Asia Mining Forum 2009参加報告 |
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作者:土居 正典 本源:北京事務所 更新時間:2010-2-21 15:22:39 |
Asia Mining Forum 2009参加報告
Asia Mining Forum 2009参加報告
<企画調査部 大久保 聡 調査課長 上木 隆司 北京事務所長 土居 正典 報告>
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2009年7月2~3日、北京にてAsia Mining Forum 2009〔主催者:決策者経済顧問有限公司“CDMC-China Decision Makers Consultancy)〕が開催された。以下、本稿ではその会合の概要について報告する。フォーラムには、国土資源部、中国鉱業協会、探鉱ジュニア、中国の鉱業コンサルタントといった中国ベースの企業の他、ジンバブエ大使館といった鉱業関係者のほか、証券会社、銀行の鉱業投資部門といった幅広い分野の講演者を含む合計約150名以上が参加した。本会議のプログラムは表1のとおりである。
表1.“Asia Mining Forum 2009”のプログラム |
< 第1日目 (7月2日) > |
◎セッション1(午前):政府、研究所、企業の鉱業市場に関する視点 |
講演タイトル |
講演者 |
政府の視点:世界的資源統合への参加と資源供給安定化 |
国土資源部国際協力科学技術部長 Liu Shuchen |
中国と豪州間の鉱物資源投資と鉱産物貿易 |
Australian Federation Freetrade Organization PTY Ltd,社長 Steve Moon |
経済減退下で如何に鉱業分野で成功するか |
KPMG、鉱業部門長 Melvin Guen |
中国鉱業:ユーラシアの一部として |
Eurasia Capital, CEO, TSU Resources, 役員会主席 Alisher Ali Djumanov |
パネル・ディスカッション: |
国土資源部国際協力科学技術部長 Liu Shuchen Australian Federation Freetrade Organization PTY Ltd., President Steve Moon KPMG、北京事務所 Melvin Guen Eurasia Capital, CEO, TSU Resources, 主席役員 Alisher Ali Djumanov The Beijing Axis Group, 常務取締役 Kobus van der Wath |
セッション2(午後・各論):金属鉱業の現況 |
講演タイトル |
講演者 |
量的緩和とドルの今後 |
Tanzanian Royalty Exploration Corp., CEO James Sinclair |
金の持つ力-Infinity Gold Miningの取組み |
Infinity Gold Mining Inc, Daniel Heimowitz |
ニッケル市場の概況 |
Heron Resources Ltd, Managing Director Matthew Longworth |
経済危機下での鉱業の発展 |
邯鄲鉱業冶金設計研究所 所長 Jia Bingguo |
中鉱連合基金: 効率的融資戦略と長期回収プロジェクト |
中鉱連合基金 CEO Feng Li |
< 第2日目(7月3日) > |
セッション3(午前):不況時の鉱業投資 |
講演タイトル |
講演者 |
中国鉱業の国際化:その趣旨、傾向、戦略、そして未来 |
The Beijing Axis Group, 常務取締役 Kobus van der Wath |
ドイツ銀行による鉱業投資 |
ドイツ銀行、中国支店、常務取締役、Richard Li |
SGSの鉱業サービスによるポテンシャル最大化 |
SGS-CSTC技術サービス、営業部長、 Sam Song |
香港証券取引所での中国鉱業のIPO、SEOによるファイナンス |
香港証券、北京事務所代表、 Ren Guangming |
鉱業投資戦略、手法と操業管理 |
西安鉱業科学技術発展公司理事長 Li Tian’en |
鉱物資源と資本の橋渡し |
Miningfocus International,理事長 Zhang Zhenyu |
セッション4(午後):各国鉱業の現状 |
講演タイトル |
講演者 |
中国鉱業政策の構造 |
国土資源部 管理開発部長 Chen Liping |
モンゴル鉱業の成長の経済的位置付け |
モンゴル鉱業協会 会長 Ganbold Dogsom |
ジンバブエでの鉱業投資環境と好機 |
ジンバブエ大使館 大使(代理) H.E.Fredrick Shava | | 1. セッション1(第1日目午前):政府、企業の鉱業市場に関する視点 政府関係者、鉱業投資会社、監査法人の鉱業に対する視点が示され、更に現不況下での鉱業の今後についてのパネル・ディスカッションがなされた。各講演の概要は以下のとおり: 1-1.“政府の視点:世界的資源統合への参加と資源供給安定化” 国土資源部 国際協力科学技術部長 Liu Shuchen 資源分野での集中化と安定供給に関して中国としての戦略について説明がなされた。ここ5年間、中国の鉄鋼、非鉄金属の消費は10%台以上の水準で成長を続け、2008年には成長が一段落した状況である。今後、経済成長は鈍化し、金属等の消費も大きな成長はないものの、中国鉱業の生産水準、基礎的条件は不変である。中国鉱業の将来戦略の4本柱として次が挙げられた;
需要を(最大限)国内生産で賄う(立足国内) 中小企業統合による合理化 相手方とのwin-winによる更なる海外進出(走出去) 国益重視の鉱業法改正
写真1.講演風景(国土資源部 国際協力科学技術部 Liu Shuchen氏) 1-2.“中国と豪州間の鉱物資源投資と鉱産物貿易” Australian Federation Freetrade Organization PTY Ltd,社長 Steve Moon これまでの中国による豪州での鉱物資源開発に関する実例紹介および両国の鉱物資源貿易の現状について説明があった。
1-3.“経済減退下で如何に鉱業分野で成功するか” KPMG、鉱業部門長 Melvin Guen 2009年の鉱業の見通しについて見解が示された。経済の不安定な時期における鉱業投資の重要性が強調され、鉱業プロジェクトを成功させるための戦略が示された。
1-4.“中国鉱業:ユーラシアの一部として” Eurasia Capital, CEO, Alisher Ali Djumanov 鉱業市況、M&Aの概況、中国の海外進出についての状況説明の後、同鉱業投資ファンドが対象とするカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、モンゴル各国鉱業の現況やその地域で活動するENRC、Kazakhmysといった企業の開発ケース・スタディが紹介された。
1-5.“パネル・ディスカッション” 同セッションで発表した4名に加え、中国専門家としてThe Beijing Axis Group, 常務取締役Kobus van der Wath氏がパネラーとなり、不況からの回復に中国鉱業界がどの程度の期間を要するかの見通しに関する議論に始まり、不況時のマイニング・カンパニーの対処方法はどうあるべきか、中国鉱業が海外へ進出する際の問題点に関連し、一般的な他国におけるジュニア・カンパニーが探査し、メジャーが鉱山開発を行う構造と対比して、中国の走出去(海外進出促進政策)や資源外交によるアフリカへの進出、更にはアフリカでの鉱業投資の際に考慮すべきリスクなどについて活発な意見交換がなされた。
写真2.パネル・ディスカッション
2.セッション2(第1日目午後):【各論】金属鉱業の現況 セッション2では、主にジュニア・カンパニーから、それぞれが手掛けているプロジェクトの概要がなされた。また、それ以外にも、中国鉱業に関する投融資基金の概要や、コモディティの市場価格に対する投機資金の影響についての講演もあった。各講演の概要は以下のとおり:
2-1.“量的緩和とUS$の今後” Tanzanian Royalty Exploration Corp., CEO James Sinclair コモディティの価格変動要因としてデリバティブの形で投機資金が流入・流出することにより、実需を表していないコモディティの高騰や下落が起こり、これは近年の原油の例に見るとおり、これまでになく顕著な構造となっている。不況対策としての量的緩和(金利の上げ下げではなく中央銀行の当座預金残高量の調節によって金融緩和を行う)では結局、電子的現金創出に過ぎないといった意見が出された。
2-2.“金の力-Infinity Gold Mining社の取組み” Infinity Gold Mining Inc., Daniel Heimowitz” Infinity Gold社がカナダ、中国、ベトナム、パナマで実施している金山開発プロジェクトについて紹介があった。また、カナダは政治・社会リスクが低く、鉱業行政が整っており投資環境が最も良好であり、人件費が高い欠点はあるものの、鉱業投資の面で魅力的な国であることが強調された。 同社が安徽(Anhui)省に開発中のSusong金山は、米国Nevada州で代表されるCarlin型金鉱床(石灰岩質の堆積岩を母岩とする鉱染金鉱床)に類似するが、埋蔵量(金量)は1~5tと小規模。初期投資額3百万US$(300千US$を鉱区取得及びボーリング探鉱に支出済)、平均品位Au5g/t、粗鉱処理能力は200t/d(73,000t/y)、年産金量は365kgと見込まれる。
2-3.“ニッケル市場の概況” Heron Resources Ltd .,Managing Director, Matthew Longworth ここ数年のニッケル需給動向および価格推移、それらを踏まえ、豪州WA州Kalgoorlieの北東150kmに保有するYerilla Nickel Cobalt探鉱・開発プロジェクトについて、2009年5月29日、Ningbo Shanshan Co.Ltd.(寧波杉杉股N有限公司:リチウムイオン電池製造企業で長沙市に鉱石処理プラントを設置し試験操業中)と合弁契約を締結し実施中の戦略について説明があった。
2-4.“経済危機下での鉱業の発展” 邯鄲鉱業冶金設計研究所、所長Jia Bingguo 世界的なGDP成長率を比較した上で中国は依然として成長過程にあること、特に鉄鉱石の市場規模は2008年Q4に低水準となったものの回復傾向にある。 また、海外進出する際の留意点についても経験に基づき説明があった。
2-5.“中鉱連合基金:効率的融資戦略と長期回収プロジェクト” 中鉱連合基金 CEO Feng Li 同基金の目的、投融資スキームの概要、中国内外での投融資実績および成功プロジェクト例について説明があった。
<基金設立の主旨> 中国鉱業連合基金(China Mining United Fund)は、国家工商局及び国家発展計画委員会の許可を得て、清華大学鉱業同窓会、国内外の優良鉱業企業、金融関連企業が人民元による鉱業投資基金を募り、中国鉱業連合投資有限公司を設立し、その管理を行うこととなった。 同基金は、300社以上の優良鉱業企業による合弁関係、国内数100の生産鉱山と鉱業権者、米国・カナダ及び国内鉱業資本市場を連携させて合弁事業を促進し、全世界的に鉱山開発を展開し、世界的な鉱山企業を創設することを目的とする。 将来的には、有利点を活用し、良好なメカニズムを設立し、投資リスクを軽減し、良好なリターンを確保するという指導において、鉱業投資に関するリーダー的存在として、資源の有効活用を促進し、合弁事業のルートを拡大し、全株主に対して投資利益を還元する。
<基金の規模> 基金募集目標は100億元(1,440百万US$)あるいは相当の外貨であり、現状、第一期として5億元(72百万US$)の資金により、既に投資プロジェクト目的に出資が開始されている。
<投資対象> 株式市場上場企業の価値が低い現状において、走出去(海外進出奨励政策)を充分に活用するため、海外投資基金を設立し、鉱山会社の買収や株式投資を展開し、参加した鉱業管理経験に富む中国企業にプロジェクト管理を依託する。 香港、浙江省、上海市、江蘇省、内モンゴル自治区、青海省、雲南省に同投資基金の現地事務所を設立し、基金と当該地方政府及び現地金融機関が共同して大規模鉱山企業の合弁、開発資源の統合、プロジェクト関連事項、上場前の投資、信用の担保、短期貸付等の活動を行う。
<投資領域> 本基金の投資重点対象は、生産段階にある、或いは将来生産拡大の可能性ある鉱種であり、主に貴金属、非鉄金属、エネルギー資源とする。本基金は、資本参加や経営管理及びその他方式を通じて企業経営管理規模の拡大を促進し、上場のために融資し、産業チェーンとの整合を実施し、業界のレベルを高める。
<投資方式> 原則として、資本参加による投資と買収投資及び資本運用に伴う弾力的投資に分けて運用することとし、株式投資の制御、分別利用、統合投資、投資方式の活用により、プロジェクト段階に応じて、探査段階で20%、開発段階で30%、生産段階において50%の権益獲得を目指す。
<実績(中国鉱業連合基金の成功例)> ■内モンゴル自治区 卓資山モリブデン鉱山 ・初期投資額:3,100万元(4百万US$) ・投資期間:2年 ・投資回収額:6.2億元(現金:89百万US$)+株式49% ・投資資金回収率:>2000% ■山西省万k白B金山 ・初期投資額:1.8億元(26百万US$) ・投資期間:2年 ・投資回収額:4.8億元(現金:69百万US$) ・投資資金回収率: 270% ■白石鉄山 ・初期投資額:4,500万元(6百万US$) ・投資期間:2.5年 ・投資回収額:1.2億元(現金:17百万US$) ・投資資金回収率: 300% <その他の優良案件事例> ■中国初の外資との合弁開発金山-山東省大伊各庄金鉱山:70百万US$ ■中国初の外資との合弁開発鉛・亜鉛鉱山-河北省蔡家営鉛・亜鉛鉱山:100百万US$ ■世界最大級の銅・金鉱山開発-モンゴルOyu Tolgoi銅鉱山(※):>5,000百万US$ (※:本件については状況調査中) ■投資・開発成功事例-維拉斯托鉛・亜鉛等多金属鉱山 ■投資・開発成功事例-黒龍江省大興安嶺北西里バナジウム・チタン・磁鉄鉱鉱山 ■投資・開発成功事例-四川省茶盤岩・炭鉱 ■投資・開発成功事例-哈勅根台銀・多金属鉱床鉱山 ■投資・株式参加成功事例-青海省・魚aS炭田 ■カナダ上場企業KDX社への投資-Allana,KMK
3.セッション3(第2日目午前)“不況下での鉱業投資” 鉱業コンサルタント、実際に鉱業に融資をしている銀行、証券会社からリーマン・ショック以後の様な経済不安時における鉱業投資の戦略がそれぞれの立場から述べられた。各講演の概要は以下のとおり:
3-1.“中国鉱業の国際化:その趣旨、傾向、戦略、そして未来” Bateman中国支店長、The Beijing Axis Group, 常務取締役 Kobus van der Wath プロジェクト数で見ると4倍に膨れ上がり、地域別で見ると豪州、アフリカでの成長が著しい中国鉱業の海外進出の過去5年の状況などについて説明があった。 また、中国の鉱業投資の成長の概況及び中国のFDI(直接海外投資)が2000年より年間平均成長率が67.6%と非常に高率であり、2009年には世界トップ10入りする勢いであること、その中でも鉱業のFDIは4位で15.3%と重要な位置を占めていること、とりわけアフリカでの鉱業投資の成長の度合い・重要度について強調し、中国の世界鉱業成長の牽引役としての現状を、鉱物資源の消費シェアや今後のインフラ開発余地の観点から説明した。 それらの状況を踏まえた今後とるべき戦略、方向性として次の二点が示された: 中国内の資源埋蔵量の増大努力 長期需要・マクロ投資環境といった優位性を考慮した国際的進出
図1.中国の鉱業投資プロジェクト分布図(2008年、2003年対比) (出典:The Beijing Axis Group発表資料 ※プロジェクト一覧の提供を依頼したが丁重に断られた。小規模な投資案件も含めると3000件にも及ぶとのこと。)
表2.2008年下期以降の中国企業による海外鉱業投資 |
(出典:中外商通諮洵服務) |
時期 |
買収者(中国名(公司略)) |
買収対象 |
買収資産 所在国 |
買収価格 (mUS$) |
権益比率(%) |
2009年 4月 |
Minmetals (中国五鉱集団) |
OZ Minerals |
豪 |
1200 |
100 |
3月 |
WISCO(Wuhan Iron & Steel Co (武漢鋼鉄) |
Consolidated Thompson |
加 |
240 |
19.9 |
3月 |
Sinosteel (中国中鋼集団) |
Murchison Metals Ltd. |
豪 |
|
5.85 |
2月 |
Hunan Valin Steel Co.Ltd. (湖南華菱鋼鉄) |
Fortescue Metals Group |
豪 |
438 |
17.6 |
2月 |
Jiangsu Huadong
Nonferrous Metals (有色金属華東地質勘査局) |
Arafra Resources Ltd. |
豪 |
5.4 |
25 |
2月 |
Chinalco(中国アルミ業)※ |
Rio Tinto |
豪・英 |
19,500 |
18 |
2月 |
Anshan Iron & Steel Co., Ltd. (鞍山鋼鉄) |
Gindalbie Metals |
豪 |
108.35 |
36 |
1月 |
Minmetals(中国五鉱集団) |
Vizirama |
南ア |
|
70 |
2008年 12月 |
China Union Ltd. (中国連合) |
Refining factory at Bong Iron mines |
リベリア |
2,600 |
|
12月 |
WISCO(Wuhan Iron & Steel Co武漢鋼鉄公司) |
Centrex |
豪 |
6.84 |
15 |
12月 |
WISCO(Wuhan Iron & Steel Co武漢鋼鉄公司) |
Centrex’s 5 iron ore projects |
豪 |
127 |
50 |
12月 |
Hunan Yima Coal Mining Group(義馬石炭鉱業) |
Anju Coal Mining Assoc. |
韓 |
|
|
12月 |
Shougang (中国首鋼集団) |
Mount Gibson Iron Ltd. |
豪 |
110 |
28.6→40.5 |
12月 |
Shenzhen Nonfemet (中金嶺南有色) |
Perilya Ltd. |
豪 |
28.9 |
50.1 |
10月 |
Anshan Iron & Steel Co., Ltd. (鞍山鋼鉄) |
Vigano |
伊 |
|
60 |
8月 |
Jinchuan Group (金川集団) |
Tiomin |
加 |
25 |
70 |
8月 |
Hunan Valin Steel Co.Ltd. (湖南華菱鋼鉄) |
Golden West Resources. |
豪 |
23.27 |
11 |
7月 |
China Metallurgical Group Corp.(中国冶金科工) |
Ramu Nickel Project |
PNG |
1370 |
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7月 |
Sinosteel(中国中鋼集団) |
Midwest |
豪 |
906 |
51 |
7月 |
China Metallurgical Group Corp. (中国冶金科工) |
Cape lambert’ Iron project |
豪 |
367 |
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※注:Chinalco(中国アルミ業公司)によるRio Tinto資産買収(斜体文字)は不成立。 | 3-2.“ドイツ銀行による鉱業投資” ドイツ銀行、中国支店、常務取締役、Richard Li 一般的な企業への融資方法、その中で鉱業にあてはまる方法としてエクイティ・ファイナンス、ストラクチャー・ファイナンスを紹介し、同行の近年の中国鉱業の状況・傾向の捉え方、中国を含むアジアでの鉱業投資の実例について説明があった。
3-3.“SGSの鉱業サービスによるポテンシャル最大化” SGS-CSTC技術サービス、営業部長、Sam Song 同グループの石炭受入港や金鉱山での分析研究所の紹介がなされた。
3-4.“香港証券取引所での中国鉱業のIPO、SEOによるファイナンス” 香港証券、北京事務所代表、Ren Guangming 香港証券取引所の市場規模、上場の条件について説明があった。同取引所はIPOが世界一の規模でニューヨークの1.5倍、ロンドンの4倍であり、中国鉱業が今後株式上場する上で大きなメリットがあることを強調した。
3-5.“鉱業投資戦略、手法と操業管理” 西安鉱業科学技術発展公司 理事長Li Tian’en 実際に鉱山開発に携わってきた経験から、投資のタイミング・内容の適切さの重要性、操業管理における留意すべき阻害要因について説明があった。
3-6.“鉱物資源と資本の橋渡し” Miningfocus International 理事長Zhang Zhenyu 統計的分析に基づくプライベート・エクイティ・ファイナンス(未公開株式投資)の重要性が挙げられ、投資者も評価局面で積極的にFSに携わる必要性を強調した。
4.セッション4(第2日目午後):各国鉱業の現状 このセッションでは中国政府の他、中国鉱業に深く関連するモンゴル、アフリカから自国の鉱業の現況について説明がなされた。各講演の概要は以下のとおり
4-1.“中国鉱業政策の構造” 国土資源部 管理開発部長Chen Liping 中国の鉱業関連法規を含めた鉱業行政の現状および今後の方向性について講演がなされた。まず国土資源部の中国鉱業における役割として鉱業権の管理、鉱山保安、製錬所操業管理、価格管理、鉱産物に係る課税、輸出規制(レアアース、アンチモンなど)など主だったものが紹介され、現状での問題点、小規模生産施設が多いこと、資源の上流部門と下流部門のバランスの悪さ、国営企業と民営企業が混在していることを明らかにした上で、今後の戦略。方向性についての説明があった。
4-2.“モンゴル鉱業の成長の経済的位置付け” モンゴル鉱業協会 会長Ganbold Dogsom モンゴルでは鉱業権が付与されているのは国土の3割に過ぎず、まだ新規の鉱業権付与の余地がある状況を強調した上で、モンゴルでの鉱業における外国資本の進出状況を実例(Oyu Tolgoi銅・金プロジェクト、Saddle Hillウランプロジェクト)を示しつつ紹介した。特にモンゴル経済におけるOyu Tolgoi銅金プロジェクトの重要性は大きくモンゴル経済全体の牽引役となることが強調された。
4-3.“ジンバブエでの鉱業投資環境とそのチャンス” ジンバブエ大使館 大使 H.E.Fredrick Shava (講演代理) ジンバブエ鉱業は現状では十分な開発が進んでいるのはクロム鉱石だけであるが、白金族など十分なポテンシャルを有することが強調され、今後の投資促進のための政策的準備があることを強調した。 セッション4のこれら3カ国からの講演の後は、会場で参加者間での投資案件に関する商談がなされていた。
5.終わりに 本フォーラムでは不況下での鉱業投資がどうあるべきかというテーマに沿って中国の今後の戦略が明示された。中国企業によるM&Aの状況のほかモンゴル・CIS諸国におけるM&A状況、投資銀行はじめ金融機関や証券会社、鉱業投資ファンドの鉱業投資において果たすべき役割等についても説明がなされた。 直前のプログラム変更、聴き取り難い同時通訳(中国語→英語)や英文資料の配布が無い場合もあり、本報告では概要に留めた国土資源部からの講演など重要と考えられる講演内容については別途報告する所存である。
Chinalco-Rio Tinto、Minmetals-OZ Mineralsの事例に見るまでもなく、中国の鉱業投資やM&Aは、世界的な不況時だからこそ好機と見て積極的な動きを見せている。モンゴル鉱業協会会長の講演後に大勢の中国企業関係者が歩み寄って名刺交換している状況は、中国鉱業界の投資対象がアフリカや豪州のみならず他の鉱産国も視野にあることの証左と見られた。また、参加者を見渡すと中国企業の若年層が多く、中国鉱業はますます勢い付いていくであろうとの印象を受けた。
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おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。 | |
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文章录入:HANNS 责任编辑:HANNS |
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