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中国のレアアース資源の管理強化と
作者:上木 隆司    本源:www.jogmec.go.jp 北京事务所    更新時間:2010-2-21 15:17:51

中国のレアアース資源の管理強化と


 

 

中国のレアアース資源の管理強化と
『2009~2015年レアアース工業発展計画改訂(案)』の概要


<北京事務所  土居 正典
企画調査部 技術嘱託 渡邉 美和
   調査課長 上木 隆司 報告>

 8月12日、工業情報化部の苗墟副部長は、内蒙古自治区・包頭市で開催された『第一回中国包頭希土産業発展フォーラム』において、『希土産業の管理強化と希土工業の健全発展促進』と題した基調講演を行った。
 8月17日、“中国有色網”は“21世紀経済報道”の記事内容をインターネットにて、中国工業情報化部1 が『2009~2015年希土工業発展計画改訂(案:以下“REE計画改定案”)』を策定中であると報道した。
REE計画改定案は、レアアース(以下“REE”)産業に関する2009~2015年間の政策実施方針が盛り込まれた計画案となっているが、「REE金属の輸出厳禁」のような記述があり、現行制度と整合しない不明な点が多い。(上記フォーラムにおいてはそのような禁輸措置については触れられなかった模様)
 8月20日、JOGMECは、この情報に接し、北京事務所から直ちに国家発展改革委員会に確認したところ、「REE計画改定案は、現在、国務院関係部署への意見具申の段階で、制定されたものではない。REE計画改定案の原案は、2007年1月16日、国家発展改革委員会・希土弁公室が作成して検討委員会に提出し、承認を得ている『2006-2020年希土鉱業中長期発展計画』と考えられるが、その草案は公表されていない」との状況を確認した。
 以下、REE計画改定案の内容について、2004年来の中国のREE輸出規制状況も併せてまとめた。REE計画改定案は、決定事項ではないとされ、詳細も不明な箇所が多いため、引き続き情報収集を行う所存である。
1中国工業情報化部: 2008年、第11期全人代の決議に基づき設立された。2009年3月11日、中国国務院が公布した『国務院機構改革方案』によると、情報通信分野の主管庁である『情報産業部」(信息産業部)』が廃止となり、『工業情報化部」(工業和信息化部:Ministry of Industry and Informatization)』に改組された。国家発展改革委員会の工業部門、中国国防科学技術工業委員会(現・中国国家国防科学技術工業局)の核電力以外の業務、情報産業部郵政事業など一部を除く職務、国務院情報化工作弁公室の職務を引き継ぐ。下部組織に国家国防科学技術工業局、国家煙草専売局(元は国家発改委が管理)がある。

1. 『包頭希土産業発展フォーラム』での工業情報化部代表による基調講演
 2009年8月12日、内蒙古自治区・包頭市で開催された『第一回中国包頭希土産業発展フォーラム』において工業情報化部の苗墟副部長は、『REE産業の管理強化とREE工業の健全発展促進』と題した基調講演を行った。
その講演内容は、工業情報化部ホームページによれば以下のとおりである。
 
↑写真1.工業情報化部・苗墟副部長による基調講演 (工業情報化部HP)
→写真2.同フォーラムの会場となった包頭レアアース国際大酒店
              
1-1.中国REE産業が抱える四つの問題点
[1] 開発・採鉱の方式が粗放であり、資源の浪費がはなはだしい。
[2] 一部の企業で環境保護意識が軽薄であり、環境汚染問題が発生している。
[3] 応用技術開発が停滞しており、自主的な技術開発努力が不足している。
[4] 輸出管理が不十分であり、市場秩序が混乱している。

1-2.工業情報化部による施策
[1] 『2009~2015年希土工業発展特別計画(※注:REE計画改定案のことと思われる)』案と『希土工業発展産業発展政策』案を作成し、部内関係部署、地方主管部門及び主要企業の意見を聴取し、現在、国務院関連部署へ具申中である。
[2] 国家発展改革委員会、国土資源部、商務部などとの連携を強化し、共同して REE産業の管理強化を推進する。
[3] 産業管理を強化するため“中国希土産業協会”を設置する。

1-3.今後のREE政策の方向性及び業界への協力要請
[1] 『2009~2015年希土工業発展特別計画(※注:同上)』と『REE工業発展産業発展政策』の施行により、希土産業の健全な発展を目指す。
[2] REEを含めた関連レアメタルに係る部門が十分に協調し、産業間の問題解決を図る。
[3] REE鉱産品及び製錬・分離製品について、指令性生産計画に係る制度研究を行う。
[4] 市場に対応する資源・資産・技術などを適切に配置し、企業の自立性や対外競争力を強化する。REE製品の標準作成推進や、“中国希土産業協会”の設立等により管理監督を強化する。
[5] 国土資源部が所有する国有鉱区・鉱業権を、実力と社会的責任を備えた大手企業集団に移転し、計画的な開発・採掘を実行し資源保護力を強化する。
[6] 商務部との協力により、輸出管理制度を完備させ、資源の(海外)流出を防止する。
[7] REEの開発応用技術や基礎研究を推進し、中国固有の知的財産により国際競争力を向上させる。


2. REE計画改定案
 8月17日、“中国有色網”が“21世紀経済報道”の記事内容を引用してインターネット上で配信したところによれば、工業情報化部が検討中とされているREE計画改定案(2009~2015年希土工業発展計画) は次のように要約できる。
2-1.開発・採掘の管理強化(案)
 [1]REE資源を南・北・西の3資源区に分類し、生産を集約(※)する。
 [2]厳格な生産計画の下、2009~2015年間の年産量を次とする:
  ・精鉱量:13~15万t
  ・分離・製錬量:12~15万t
 [3]管理監督を確実に行うため、専門家審査制度を定める。

<※資源の3区分と生産の集約>
 全国で1000以上の鉱床や鉱産地が存在するREE資源の管理を容易化するために、次のとおり資源の分布を3大資源区に分類し集約管理する。
・北部REE資源区:内蒙古自治区、山東省〔軽希土鉱に重点〕
・西部  〃  :四川省〔軽希土鉱に重点〕
・南部  〃  :江西・広東・福建・湖南・広西各省・区〔中重希土鉱に重点〕

 ※補足:月刊誌“希土信息(2009年1月号)”の記述内容と照合すると、それらの生産は次の大手企業に集約されていくものと見られる:
・北部REE資源区:包頭鉄鋼集団公司2
・西部   〃 :江西有色集団希土開発公司(江西銅業集団公司の傘下) 3
・南部  〃  :五鉱希土贛州(ゼンシュウ)股份有限公司(五鉱集団公司の傘下) 4

2-2.輸出規制強化と中国国内のREE応用分野の発展奨励計画(案)
 [1]2009~2015年間の毎年の輸出規制総量:3.5万t/年(2008年実績3.46万t ) 
 [2]REE金属(※)は輸出厳禁〔※Dy(ジスプロシウム), Tb (テルビウム), Tm (ツリウム), Lu (ルテチウム)・Y(イットリウム)など〕
 [3]REEの応用分野の発展を奨励し、2015年までにREE応用材料の生産量を13.8万tまで増加させる。
 [4]その目標を実現し、更に応用技術水準を向上させるため、REE加工企業に対して毎年、売上高の最低1%を技術開発に支出させる。
 [5]次を目標とする:
  ・REE加工応用分野の特許取得件数を50%増加させる。
  ・発光材料、水素貯蔵合金材及び、永久磁石材の生産量を全世界の70%を占めることとする。

2-3.産業再編計画(案)
 中国のREE産業の集中度を高め、企業(を集約し)大型化を支援することにより産業水準を高めるため次を行う。
 [1] 参入のハードルを高めるため、2009~2015年間は、新たなREE採鉱権の承認は行わない。
 [2] 製錬・分離企業の新規設立について、従来は省単位で審査されていたものを工業情報化部での審査認可に移行する。
 [3] 同時に、投資額1億元以上のREE加工・応用プロジェクトについては工業情報化部による審査・認可のため報告を義務付ける。
 [4] 現存のREE企業については、技術・設備水準の向上、環境保護状況と管理水準の向上など三方面から淘汰を実施する。
 [5] 今後、具体的な淘汰目標の詳細を定めるが、先ずは100企業を20企業とする。
  ・規模の判断基準:軽希土の場合、年産REO (REE酸化物)の下限値は8,000t
  ・環境基準を遵守しない企業:強制的な淘汰を実施。


2 世界最大のREE鉱床と言われるバイヤンオボ(埋蔵量は中国の87.1%、世界の62%)を有する。
3 2009年5月、工業情報化部は、広西有色集団希土開発公司に対し、希土鉱産品600t及び希土分離製品500tの2009年生産計画指標を通達した(No.09-29  7月29日付ニュースフラッシュ)。
4 2009年5月22日、広西有色金属集団公司は、賀州金源希土機能材料有限公司と協定書を締結。広西有色金属集団金源希土股份有限公司が共同で設立され、広西有色金属集団公司は55%の権益を所有した(No.09-22  6月10日付ニュースフラッシュ)。


3.  REE計画改定案に対する反応

 報道されたREE計画改定案については、中国国内でも注目されている。
 8月13日、株式市場では包頭鉄鋼集団公司の株式がストップ高となった。これは、8月12日に行われた前述の苗墟工業情報化部副部長による基調講演を受け、包頭鉄鋼集団公司が今後大きな利益を得るだろうとの思惑によると見られる。
 8月18日付けの“金融投資報(現地紙)”は、“聨合証券”の非鉄金属産業アナリストによる『REE企業に対する産業新政策は両刃の剣』と題して、企業活動における懸念に関し、次のようにやや懐疑的な見解を掲載した。
● REE計画改定案の基本精神は『秩序ある開発・採掘』、『厳重な輸出管理』、『企業再編』であり、これにより投資機会も獲得できる。しかし、その一方で上場企業の業績向上に制約を生じさせる可能性も含んでいる。
● 企業・生産規模を制限することは、今後、企業にとって、生産の量と額を共に飛躍させることを困難とする可能性がある。
● REEが国防軍事分野においても重要視されていることをも考えると、国家による計画遂行に際し、この観点からREE資源の供給と価格をコントロールする可能性もある。

 一方、8月24日付けの“毎日経済新聞(現地紙)”は、華泰証券の研究員による次のような歓迎のコメントを掲載した:
 「政策が良好に実施されれば、REE産業にとって大変素晴らしいことである。
 中国はREE資源大国ではあったが、過去に価格決定権を持つことはなかった。」


4. REE計画改定案検討の背景―中国のREE需要の増大と内需優先政策
4-1.中国のREE消費量
 中国のREO(REE酸化物)消費量の伸びを参考まで単純に日米両国と比較して図1に示す。中国の2008年消費量72,550tは、1990年比で10倍となっており、日本の3.9倍を凌駕している。

図1.中国のREO消費量の増大の推移(日本、米国との比較)
(出典:レアメタルニュース、MCS(USGS))

4-2.中国のREE消費量と輸出量
 中国のREO消費量と輸出量を図2に示す。これにより、消費量の2006年以降の急増と2005年以降の輸出量の減少傾向が明らかである。

図2.中国のREO消費量と輸出量 
〔出典:(太田,2007)にレアメタルニュース等によりデータ追加〕

4-3.内需優先政策
(1)EL(輸出許可枠)の設定
 2004年、中国政府はEL(輸出許可枠)をREEに適用した。これにより中国国内のREE生産企業は自由に輸出することは出来ず、国の認可枠内に制限されることとなった。2008、2009両年のEL枠状況を表1に示す。

表1.REEのEL枠〔2008、09年〕             (単位:t)

 また、REEの輸出枠の2005年以降の推移を他の鉱種と比較して図3に示す。
これにより、REEの輸出規制が他鉱種と比較して特に厳格化されていることが判る。

図3.EL量の推移〔2005年を1とした他鉱種との比較〕
(出典:レアメタルニュース)

(2)輸出増値税還付制度の撤廃
 輸出増値税還付率(鉱種に応じて13~17%)は、2004年以降に縮小され、2005年5月1日付けで撤廃された(太田,2007)。

(3)輸出税の課税
 2006年以降、REEへの輸出税課税が開始された。課税の推移を表2に示す。

表2.REE輸出税率の推移 (単位:%)
(出典:レアメタルニュース)


5. まとめ
5-1.同年8月12日、内蒙古自治区・包頭市で開催された『第一回中国包頭希土産業発展フォーラム』において工業情報化部代表は、『希土産業の管理強化と希土工業の健全発展促進』と題した基調講演を行った。

5-2.2009年8月17日、中国国内において中国工業情報化部が検討中『REE計画改定案(2009~2015年希土工業発展計画)』の内容が報道された。この中にはREE金属の厳禁の記載5があるが、上記フォーラムにおける工業情報化部代表による基調講演においては本件には一切触れられていない。

5-3.上記の内容について次の事項が不明である。
(1)2009~2015年の年間輸出規制総量は3.5万t(2008年実績並)と記載されているが、これがEL割当量の上限となるのか。
(2)地方政府によってはREEプロジェクトへの外資誘致の動きが見られる。REE計画改定案には外資による投資について触れられていないが、外資参入の可能性はどのような分野、形態で有り得るのか。

5-4.2004年来、REE輸出規制が強化される傾向にある。

5-5.国土資源部は、8月23日、以下を発表した。これらは生産を制限するものと理解されるが、REE計画改定案に盛込まれた12~15万tとした生産計画より小さな数値となっている。
(1)REE(及びW、Sb)の調査許可証、採掘許可証の発給を2010年6月20日まで停止する。
(2)2009年のREE採掘コントロール指標を次とする。
  ・REO:82,320t(内、軽希土類:72,300t、重希土類:10,020t)

5-6.生産制限や輸出規制は、以上を総合すると次のような状況に対処したものと理解される。
(1)不法採掘・乱掘による資源の浪費の抑制と資源の温存
(2)環境保護・地域住民の健康確保、環境規制の強化
(3)適正価格の統制・発言力強化
(4)中国国内における鉱物資源の付加価値増加と下流産業発展の促進
(5)その他

5-7.近年、鉱業関連のセミナー・会議等において中国側から“win-win”の関係構築の提言をよく耳にする。Nd-Fe-B磁石の発明は日本においてなされたが、中国がREE資源を囲い込むのではなく、日本の技術力との融合を図ることが重要であり、互恵互助の関係において東アジアのハイテク工業国として共に発展するよう、中国側との対話の継続と協調が重要と考えられる。


5 後述のとおり、『2009~2015レアアース工業発展計画改訂(案)』に”レアアース金属は輸出厳禁”の記載は無いことが確認されている。

【平成21年9月3日付補足】
 ”21世紀経済報道”の中に記載された”レアアース金属は輸出厳禁”に関し『2009~2015レアアース工業発展計画改訂(案)』に記載されていないことが8月26日、政府間の公式ベースで確認されている。また、中国五鉱化工進出口商会とMETAL-PAGESが北京で共催した “Minor Metals & Rare Earths 2009”において9月3日、中国工業情報化部・原材料工業司・王副巡視員は『中国レアメタル・レアアース産業政策の現状と今後の展望』と題した講演の中で上記報道は事実ではないと明言した。

【参考文献】
・『レアアース資源と産業』太田,(社)日本メタル経済研究所,2007年3月
・『レアメタルニュース』No.2339ほか,アルム出版, 2008年2月8日
・『日中経済協力会議―内蒙古“省エネ・環境分科会”及び“投資貿易分科会”報告』 JOGMECカレントトピックス,土居・渡邉・上木,H21.8.20
・『激動の中国レアアース-新たな夜明け-』JOGMEC金属資源レポート7月号,Vol.39,No.2(海外レポート),土屋,2009.5.5
・『2008年中国希土十大ニュース』JOGMEC内部資料,土屋,H21.4.1
・『2007年 〃 』JOGMECカレントトピックス,土屋,H20.3.6

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。


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